第2回 皆さん、人生これからです@須賀川教会 

聖 書「心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くして、あなたの神である主を愛しなさい。隣人を自分のように愛しなさい。律法全体と予言者は、この二つの掟に基づいている。」(マタイによる福音書22章37節)

 

 みなさん、元気にお過ごしでしょうか。須賀川教会牧師 菊池丈博です。

 

 先日、全国認定こども園協会主催の大きなセミナー、勉強会がありました。私はオンラインで出席いたしました。認定こども園は、ゼロ歳から五歳までの子どもたちと共に歩んでおりますが、そのセミナーでお話ししてくださった先生はこんなことを教えてくださいました。

「わたしたちの保育は五分の五の保育ではなく、一生分の5の保育です。」

 この言葉は印象に残る言葉でした。

 五分の五とは、ゼロ歳から五歳までのことです。子ども園はこの五年間を保育します。

 でも、この期間の子どもの成長は、その子の一生を左右するほど大切な人生の土台となる時期ですから、その子の一生分の五の保育をしている意識が必要だというのです。

 

 私たちの記憶を考えてみると2歳、3歳までの記憶はほとんどありません。ですから、その頃どのように育ったのかを意識しているわけではありません。でも、この記憶にない時期が本当に大切だというのです。その間、その子が大切にされ、愛され、祝福されて育ったのか、不安と悲しみの中で育ったのか、記憶になくてもその人の生涯の考え方や社会に対する姿勢、様々な影響が出るというのです。

 

 確かにそうだと思います。子ども一人が健やかな成長を遂げるために、大人である私たちは、より真剣に、より本気で取り組まなければならないと思います。やりがいのある良い仕事だと思いました。

 私はイエス様が教えられた「隣人を自分のように愛しなさい」という言葉を思いました。大切な点は隣人を愛するためには自分を愛することが大切だということです。

 

 皆さんは、自分で自分を愛しておられますか?私たちの社会は「競争社会」と言われます。不思議なことに、日本、韓国、中国といった東アジアの国々は、競争社会的傾向がとても強いそうです。そして、勝ったとか負けたとかで喜んだり、悲しんだりしています。

 人は常に勝ち続けることはできません。「負け」も結構多いのです。ですから、自分を愛するというより、自分を嫌いと感じている人が多い社会だと思います。

 

 そのような社会にあって、教会の働きは益々求められていくと私は思います。なぜなら、教会は一人の人間の「一生分の一生」に対して責任を持つからです。神様を知ると、神を愛し、自分を愛し、隣人を愛せる人へと変えられていきます。私たちはそんな素敵な人生を生きていきましょう。

 皆さん、人生これからです。